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■7th Album ALARM収録「SNS」の楽曲インタビューをして頂きました■

インタビュー・テキスト:チャッピー

今日解説する曲を「知らないよ」という方はまずこちらを聴いてみてください。それで気に入ったら記事を読んでみてね!

SNS - Yellow Studs
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Music:Yellow Studs 

 

デリケートな社会現象にも臆せず切り込んでいく歌詞はイエスタの魅力の一つ。ということでYellow Studs楽曲紹介 第四弾は2014年発売、7th Album「ALARM」収録の「SNS」にしてみました。

 

「ねえ 救われましたか?バラまいた現状」表面的に聴いたら皮肉とも取られかねない歌詞の裏側にある作り手の奥深い意図。今日はヴォーカル太一のインタビュー、みんな読んでくれよな!!

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Q.「コンセプトがないと曲は書けない」っていつも言ってますけど、「SNS」はどういうコンセプトで作ったんですか?

 

寂しい、悲しい、死にたい。自己承認欲求を満たすためにみんなが本名隠して言いたい放題。この曲のコンセプトはそういうSNSの現状に対する「憂い」って感じかな。自己表現が手軽になった反面、大事なものを失ってるんじゃないかっていう意味だね。

 

Twitterがはじまってもう10年くらい経つじゃない。最初の頃は「つぶやくことなんかねえよ!」って思ってたの。特に自分の気持ちをつぶやくなんて意味わかんねえって。多分最初はみんなもノリではじめて良くわかってなかったと思うんだよね。

 

でもしばらくしてSNSに飲み込まれていく人が見事に増えていったよね。俺も含めてなんだけどさ。SNSはそういう飲み込まれちゃった人を歌った曲だね。

Q.若い人なんかは特にSNSがある生活が当たり前になってると思うんですけど、太一くん自身はSNSについてどう思ってますか?

 

息苦しいっていう感じかな。俺が古臭い人間だからなのかもしれないけど、そもそも感情って数百文字なんかに収まるもんじゃないからさ、面と向かって人に話すことではじめて昇華されるものなんじゃないかって思ってるんだよね。

 

地震のときなんかは素晴らしい活躍をしたけどさ、バカッターなんていって人生半壊しちゃう人もいるわけじゃない。俺は商売柄、バンドとか自分の思ってることをツイートするんだけど、たまにお叱りのDMが来るんだよ。

 

例えば、前に曲が出来なくて悩んでるときに「頑張れよ。いじけてるんだったら進んだ方が楽」って自分への戒めを込めたツイートをしたんだけど。速攻DMが来てね。

 

「頑張れない人への暴力です」的な感じで。当時は「こいつバカじゃないの?」と思ってたけどさ。自分に向けて言ったことでもSNSを介すと、その人に向けて言ってるように受け取られちゃう場合があるんだって学んだよね。

 

Q.なるほど。「SNS」の歌詞はそんなSNSに飲み込まれていった人を描写しているわけですが、中にどんなメッセージが込められてるんですか?

 

SNSは便利みたいな風潮があるけど「むしろ表現の自由は狭まったよねって。インスタントに感情表現するよりもっと大事なことあるだろ」ってのは言いたいことかなぁ。

 

SNSはビジネス、日記、情報収集とか使い方はたくさんあるけどさ、「ハマり過ぎると失うものも確実にあるな」って常々思ってるよ。

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Q.歌詞の最後に「目を醒ませ 聞こえるはずだお前にもアラーム」ってありますしね。でもバンドにとってSNSの恩恵は無視できませんよね?

 

そうそう、実際俺らはSNSが無かったらたぶん音楽だけで食えてないしね。そういう意味ではすごい感謝してるし、まさに革命だと思ってる。

 

フォロワーたくさんいるのに反応が少ない人もいるけどさ、フォロワー少なくても反応する人が多ければそのSNSは価値があるわけじゃない。

 

俺は商売で使ってのもあるけど、どうせやるなら見てくれる人に価値を感じてもらえる使い方をしたいなって思ってるよ。出来てるかはわからんけどね。

 

Q.「SNS」の歌詞には「手首に刻まれた無数の傷痕 かきむしりながら 別に死にたいわけじゃないんだよって彼女は笑ったんだ」「ゴシップ雑誌でよく目に飛び込む出会い系サイト 妻の目を盗んでばれないようにうまいことやってるって?」と二人の人物が思い浮かぶんですが、これは実際にモデルがいるんですか?

 

うん、実在してる人だね。出会い系サイトのくだりはさ、サクラのバイトとかあるじゃない。そんなところで働くのはバンドマン、役者とかフリーターばっかりなんだけどさ。

 

出会い系サイトを使って女の子探してるおじさんからメールが届いたら、夢追い人が生活のために女の子を装ってメールの相手するわけ。おじさんはメールするのにポイントを買わなきゃだからさ。くだらない会話して変な絵文字使って無理くりメールを続ける。

 

最終的に会う約束を取り付けて「ごめん、今日都合悪くなっちゃった」って断る。これを延々と繰り返すって仕事なんだけど、世の中に必要な仕事ではないよね。

 

そんなのに引っかかっちゃうおじさんと、そんな仕事を滑稽だなって見下してる自分がいて。それを素直に描いてみたって感じかな。

 

 

 

 

Q.やっぱり実在の人物だったんですね。この曲はコンセプトがすごいハッキリしてるなと思うんですけど、製作過程はどうでしたか?

 

コンセプトがハッキリしてたから「SNS」は曲から作ったんだよね。良い感じのコード進行を決めて。そのコードに合う歌詞を考えていった感じかな。

 

あとはギターとベースが上手い具合に混ざってるから、良平と植田くんがいい感じに化けさせてくれたよね。まあ、いつものごとくレコーディングは大変だったけどさ。

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Q.SNSという非常にデリケートな素材をコンセプトに据えてるあたり、お客さんから何か反響があったりしますか?

 

曲に対して特に悪い意見はもらってないかな。むしろライブは結構喜んでもらえてるんじゃないかなって思ってるんだけどどうなんだろうね。少なくとも俺はやってて楽しい曲だなぁ。

 

Q.コンセプトはデリケートですけども、別に誰かをディスってる曲じゃないですからね。ライブに来てくれてるお客さんとかは歌詞の意図を深読みして楽しんでくれてるんでしょうね。

 

そうそう、誰かを悪く言ってような曲じゃないんだよね。歌詞にもあるんだけど「世界は少し繋がりすぎてしまったみたいだ」っていうさ。

 

例えば、中高生の多感な時期ってさ、俺らは公園とかに捨てられてる卑猥な雑誌をドキドキしながら隠れて読んだ時代じゃない。でも今は親がスマホに特別な設定しないと、子どもにもエッチな広告が出たりするし、そういうサイトもすぐに見れる。

 

インターネットとかスマートフォンとかSNSとか文明の力によって失ってるものあるよな〜っていうのが、俺がこの曲に込めた想いなんだよね。

 

Q.でも「SNS」の歌詞書くとき大変だったでしょう?(笑)

 

この曲だけじゃないけど、歌詞はいつも大変だよ。ペンを持ったら常にお客さんの顔が浮かんできてさ「あの子がこの歌詞読んだらどう思うんだろう」「あの人もしかしたら傷ついちゃったりしないかな」とか。

 

ハッキリ言って怖いよね。だから毎回ビクビクしてブレーキかけちゃう。でもそんなブレーキは、取っ払わないと人に刺さる歌詞って出来ないと思ってるからさ。

 

俺はそのブレーキを取っ払う作業に四苦八苦しちゃうタイプだから、レコーディングの歌入れ直前まで歌詞が決まらないんだよね。だから歌詞はいつもレコーディングのタイムリミットを使って腹を決めてるって感じかな。

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終わりに

 

イエロースタッズの曲には今回取り上げた「SNS」のほかにもALARMの「脱線」、doorの「人任せ」など、結構デリケートな話題に触れている曲もあるんですが、いずれも「こうだったらいいのに」的な作者の主張が臆せずハッキリと描かれているんですよね。

 

今回「 SNS」のインタビューをしていて僕が感じたのは「表現とはいえ商売で曲作ってる以上、人を嫌な気持ちにさせるのはNG。でもハッキリ主張はしないとね」という彼のプロフェッショナルさ。

 

歌詞がブっ刺さってイエスタ好き!という人も多いと思うのでアレなんですけども、歌詞カード眺めながら「歌詞の裏側にある野村太一の本音」を自分なりに解釈しながら探してみると、より曲を楽しめるかもしれませぬ!

 

イエスタの曲の歌詞には全部、彼の本音が入っていると思うので。

 

そして「あ、CD…もし良かったら物販も買ってね」という本音が込められた

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↓以下、良平くんが一生懸命作成した説明文ですのでご覧ください。

 

ALARMを聞きながらトートバッグも持てちゃうモテモテセットです。「脱線」を聞きながらトートバックを持つも良し、「また会おう」を聞きながらセンチな気持ちになるも良し、隙も死角もありません。ただし音楽を聴きながら歩くという行動は危険も伴うので、気を付けて下さいね。素敵なアルバムと素敵なバックなのでとてもいいなぁと思います。

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