
■7th Album ALARM収録「脱線」の楽曲インタビューをして頂きました■
インタビュー・テキスト:チャッピー
今日解説する曲を「知らないよ」という方はまずこちらを聴いてみてください。それで気に入ったら記事を読んでみてね!
Music:Yellow Studs
15周年特別企画 Yellow Studs名曲紹介 第三弾は2014年発売、7th Album「ALARM」に収録されている「脱線」。はい、これはもうライブで必ずといっていいほど演奏してる定番曲なので、ファンならほとんどの人が知ってると思います。
ということで今日は「脱線」を生み出した野村良平先生のインタビューをお送りしてみましたので、みんな読んでくれよな!!

Q.脱線の作曲は野村良平・野村太一ということなんだけども、どういう経緯で出来上がっていったのでしょうか?
脱線はALARMだからもう5年くらい前か。仙台のFlying Sonっていうライブハウスで出番前に楽屋で適当に遊びながらギター弾いてたんすよ。そしたら聞いてた太一が「あ、それいいね」って言い出して。それから東京帰ってスタジオで煮詰めていったっていう感じですかね。
Q.太一くんが言った「それいいね」っていうのは具体的にどの部分?
Aメロのギターですね。当時は「スカっぽい音楽やりたいね」って話してたから、太一の中でもヒットする部分があったのかなと。Aメロはギターに合わせてドラムも裏打ちになってますしね。ちなみに冒頭のユニゾンしてるメロディは一度ボツになった曲で使われてたやつをそのまま持ってきました!
Q.前にインタビューした汚い虹もそうだけど、良平くんのギターリフから生まれる曲って人気になること多いですよね?
どうなんでしょうね。僕は家で遊びながらギター弾いて、気に入ったリフをスタジオに持って行くんですけど。いつからか練習はじめる前に数分間がミニオーディションみたいになってて。僕が勝手に弾いて、太一がピンと弾けば「それだ!」って持って行かれる。まあ好きで弾いてるだけなんで全然いいんですけどね。

Q.じゃあ「脱線」は着想からレコーディングまですんなり出来上がった感じですか?
そうっすね。シンプルなロックっていう感じの曲だからメンバー間でも簡単に共有できましたね。今までで一番苦労したのがSingle「Junk」に入ってる「ジャンク品」て曲なんですけど。ジャンク品が100としたら脱線は12くらいの労力でしたね(笑)
ただ僕らのレコーディングって太一が当日に歌詞を仕上げるから。「こういう歌詞だったらこうしとけば良かったな〜」とかはあるけど、歌詞に重きを置いてギター弾いてるわけではないからまあいいのかなと。
Q.ライブでのギターはだいぶアレンジされているようですが…
そうですね、基本的にギターは音源と変えてますね。脱線はAメロと、サビ、ソロとか結構変えてるかな。お客さんが飽きないようにっていうのもあるし、その方がマンネリしないから自分も楽しめるというか。そのライブの時のテンションでアレンジするんですけど、植田さんがそれに気づくと笑ってくれるんですよね。アレンジすると演者もオーディエンスも両方楽しいんじゃないかなって思いながらやってます。
Q.去年の恵比寿リキッドルームでも1発目にやっていたけど、やっぱりイエスタにとって「脱線」は大事な曲だったりしますか?
長いことやってるから板についたっていうのもあるけど思い入れはありますね。この曲は演奏も好きだけど、歌詞が尖ってて歌もいい感じだと思うし。個人的に歌詞には首突っ込まないようにしてるんですけど「太一の頭の中はこんな感じなんだな〜」って思いながら弾いてます。
だからサビ前の「正気かい?」とか誰に頼まれたわけじゃないのにライブでテンション上がって勝手にコーラスやっちゃう。太一に怒られるんじゃないかとヒヤヒヤなんですけどね。アドリブでもコーラス入れたくなるくらい気に入ってる曲です。

Q.7th Album「ALARM」の制作はどんな雰囲気で進みましたか?
レコーディングの作業自体は毎回苦行でしかないから辛かったですけど、曲作ってる最中は楽しかったですね。当時はヒロキが加入したばかりで新鮮だったし。「脱線」とかその頃のテンションの象徴みたいな曲なんじゃないでしょうか。
Q.ちなみにALARMという名前は誰が決めましたか?
これは僕ですね。なぜかわからないけど当時の僕は「流行りのポップスを添え物にしてるキッズたちよ、目を覚ませ!」って意味不明に怒ってて。それで「ALARM」っていう名前にしたんですよね。アルバムのタイトルありきで作りにかかった最初で最後のアルバムなんじゃないでしょうか。ちなみに「SNS」の曲名は最初「ALARM」だったんですよ。
歌詞の内容から最終的には「SNS」に変わったんですけど、「目を醒ませ 聞こえるはずだろうお前にもアラーム」っていう歌詞は、太一が気を使って入れてくれたんじゃないかと勝手に思ってます。本当のところは知りませんけど。
Q.最後にALARMで印象に残った曲をいくつか教えてください!
人気どころはコメディー、脱線、秋晴れの空なんですかね。でも「僭越ながら」は思い入れあるかなー。本来歌を大事に弾かなきゃだけど、良い曲だからその中で自分の弾きたいように弾かせてもらったし。あと「飴と鞭」ですかね。あの曲で僕自身が一皮剥けたっていう実感ありますね。あの曲が剥けさせてくれたなってすごい思います。
あと面白かったのは「トビラ」。これキリン氷結のCM曲だったから3日くらいで作らないといけない状況だったんですけど。実はこの曲のギターリフって「imitation」に入ってる「フリーター」って曲のギターと全く同じなんですよ。テンポ上げただけっていう。これでハマるんだ…って面白かったし、フリーターはライブで一回もやってないからアリなのかなと。
あとリリース前に一般公開した「鶴の恩返し」も楽しかったな。ラスサビ前のセクションでギターが暴れるところがあるんですけど。あれレコーディングで僕がオラオラでギター弾きながら、奥平さんとエンジニアの太田さん二人がかりで足元のエフェクターのつまみをグイングインにいじりまくるっていうシュールな絵で撮りました。

おわりに
「生まれてこの方、一度たりとも努力したことはありません」と堂々と語る彼のギターは奇想天外。クリックに合わせてギターを弾くのは半年に一度あるかないか。基本的に家の中でヘッドフォンをして好きな音楽をひたすら弾き続けるのが彼にとっての練習だそうです。
これはもうプレイヤーからすると羨ましい限り。普通楽器って基礎練習とかめちゃくちゃやるんですけど、彼の場合は好きな曲を弾いてるだけで成り立っちゃう。そんな良平イズムが炸裂したアルバムが「ALARM」なんじゃないかと思います。
個人的にこの人、頭おかしいわと思ったのは「僭越ながら」。これ歌のことだけ考えたらありえないフレーズ弾いてるんですけど、めっちゃくちゃカッコ良いっていうね。もし意識したことなかった〜っていう方がいたら2回目のAメロのギター、よ〜く聞いてみてください。
そんな彼とて上手くいかない時期が続くと「もうギター弾きたくない」的なスランプに陥るみたいです。そんな時、何してるの?と聞いてみたところ「先週は何をやっても楽しくないので3時間くらいかけて鶏白湯スープを作りました」と真面目な顔で答える始末。
写真撮影で原っぱに来れば「四つ葉のクローバー探しませんか?」とまさかのShall WE。この男がギターを弾いてる限り、イエスタの曲に飽きがくることは無いと思いました。

はい、ということで今回のCD&物販セット商品はこちら
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↓以下、良平くんが一生懸命作成した説明文ですのでご覧ください。
ALARMを聞きながらトートバッグも持てちゃうモテモテセットです。「脱線」を聞きながらトートバックを持つも良し、「また会おう」を聞きながらセンチな気持ちになるも良し、隙も死角もありません。ただし音楽を聴きながら歩くという行動は危険も伴うので、気を付けて下さいね。素敵なアルバムと素敵なバックなのでとてもいいなぁと思います。