■8th Album door収録「汚い虹」の楽曲インタビューをして頂きました■

インタビュー・テキスト:チャッピー

今日解説する曲を「知らないよ」という方はまずこちらを聴いてみてください。それで気に入ったら記事を読んでみてね!

Music:Yellow Studs 

Presented by UISHAAA WORKS  Creates>> 

 

今日は15周年特別企画「Yellow Studs名曲紹介(仮)」第二弾。初回は「とある少女(リンク)」という変化球から入っていったので、今回は王道の名曲を紹介してみようかと。

 

はい、Yellow Studs名曲紹介第二弾は「汚い虹」。実はこの「汚い虹」MV再生数は13.8万回とイエスタの中でもトップクラスの人気を誇るMVなんですね。ということで野村太一先生に「汚い虹」の制作秘話についてインタビューしてきましたので、みんな読んでくれよな!!

チャッピー:イエスタのMVの中で「汚い虹」がヒットしてるんですけど、太一くんは何か特別な思い入れとかありますか? 

太一:自分自身のことを描写した曲だし、思いついてから出来上がるまで半年ほど煮詰めたから思い入れはあるよねー。身を削って作ったなんていうとカッコ良い感じになっちゃうけど、これ作ったときは死ぬほどキツかったかな。 

チャッピー:「汚い虹」はどんなコンセプトから作られたんですか? 

太一:これを書いた当時の自分をありのまま曲にした感じだからコンセプトってほどのものじゃないけど、当時は何をやっても上手くいかない時期でね。ずーっと悩んでるうちにやる気も自信も失くしちゃって。ベランダから外を眺めてたら、ふと「こんな俺で、すまん」って両親に謝りたくなってしまったっていうね。だから、しいて言えば「すまん」がコンセプトかな。 

チャッピー:「すまん」ていうのは安定した職に就かず、バンドで夢追いかかけてて「すまん」っていう意味で? 

太一:それもあるけど、大きく言えば期待に応えられなくて「すまん」ていう感じかな。うちは三兄弟なんだけど、俺だけ勉強が得意だったから、親は俺に「良い会社に就職して平和な家庭を築いて欲しい」って期待してたんだよね。 

俺はずっとその期待を感じながら生きてきて。でも期待に応えるように生きてると自分を殺さなきゃいけないじゃない。それでハジけてしまったというか。受かった大学全部蹴って専門学校入ったのに、退学になったときは親に「何考えてんの」って泣かれたよね。そこは今でも「すまん」て思ってるよ。 

チャッピー:なるほど、それでも自分の目指した道で飯が食えてるんだから、少しは誇れる部分もあるんじゃないんですか? 

太一:どうなんだろ、汚い虹書いたときはそんなに誇れてなかったかなぁ。鳴かず飛ばずのバンドを10年以上続けてさ。好き勝手に生きて、いろんな人傷つけて、親にも心配かけて。当時は楽しかったはずの音楽にもやる気が持てなくなってたしね。何やってんだ俺はって。 
 

チャッピー:そういう心境を歌ったのが汚い虹?

 

太一:そうそう。「曇り空に細くたるんだ電線が揺れていた…」っていうのは俺の家のベランダから見える景色ね。梅雨の夕方にベランダへ出たら空に虹がかかってたんだよ。普通さ、虹が見えたらラッキーとか綺麗とか思うじゃん? 

でもその時は淀んで見えて何も感じなかったんだよ。いつからこんな無感動になっちゃったんだろうって虚しくなったよね。そしたら「あ〜、汚いのは虹じゃなくて俺の心なんだ」って思えて。そのときの心の描写が「汚い虹」っていう曲になったんだよね。 

チャッピー:歌詞は全体的に元気がないというかネガティブな雰囲気なんですけど、その中でも「いつか戻る」っていうのは悩み苦しんでいた中で、未来に込めた希望という意味ですか? 

太一:いや、この曲にはポジティブな意図なんか込めてないんだ。いつもは何か一つでも希望を持たせるっていうのが俺の曲づくりの信念なんだけどね。汚い虹には希望なんて一つも無い。書いてた当時の俺の心情をありのまま吐き出したって感じかな。 

「いつか戻る」っていうのは「イエスタはじめて音楽が楽しかった頃に戻る」っていう意味なんだけど、戻り方もわからず宛てもなく言ってるだけというか。出口の見えないトンネルみたいなイメージなんだよな。 
 

チャッピー:汚い虹が収録されるまではどんな流れで進みましたか? 

太一:ありのままの自分を歌おうと思ってたから何となくの歌詞はあったんだけど、ずっとメロディーができなくてね。そしたらある日のスタジオで、良平が遊びでカッコ良いリフを弾きはじめて。あのイントロのギターね。 

それを聞いた時に「コレだ!」って閃いて。良平のリフからコードを拾って、それに沿ってメロディーを肉づけしていったって感じかな。 

チャッピー:なるほど、歌詞は熟成されてたけど肝心のメロディーに苦しんでたんですね。

 

太一:そうそう、でもレコーディングはじまっても良い感じにカチッと仕上がらなくてね。サビのメロディーなんてレコーディング当日まで決まらなかったし。自分の気持ちを深いところまで描写している曲だから難航したよね。 

結局、サビのメロディーが出来上がったのは楽器を全部撮り終えてもう歌うだけって時。でも追い込まれて出てきたメロディーがすごい良い感じで。だから汚い虹はライブで歌ってても気持ちが乗るよね。 

チャッピー:MVもノスタルジックな雰囲気の良い作品ですけど、太一くんの話してくれた汚い虹の背景とはちょっと違うような感じがするのですが? 
 

太一:MVのコンセプトはUISHAAAWORKSっていう映像屋さんに全部任せたんだよね。そしたら「未来の自分に宛てた手紙」っていう解釈で返ってきて。俺は「希望なんて無い」っていうテンションで作ってたんだけど、映像にするんだったらそういうテーマも面白いなと思ったからそのまま作ってもらった。

 

チャッピー:MVの仕上がりについてはどう思ってます?

 

太一:結構気に入ってるかな。特に花火に囲まれて良平がギターをかき鳴らしてるところとか良いよね。撮影は冬だったからめちゃくちゃ寒かったなー。水たまりで靴もびちょびちょ。あと花火で俺のピアノが焦げたね。MVはさ撮影中に描いていたイメージとは全然違う仕上がりになるのが面白いんだよね。特にこのMVはカッコ良いと思ってるかな。

 

チャッピー:最後にそんな思い入れのある「汚い虹」が収録された7thアルバム「door」の感想を聞かせてください

 

太一:一言で表すと「当時の残りの命を全部ぶち込むつもりで作ったアルバム」って感じかな。汚い虹は今話した通りだし。フィルム、シンデレラ、夜空に願いを。これら全部、歌詞がレコーディング当日まで仕上がらなかったし。今まで作ったアルバムの中で一番追い込まれたんじゃないかな。当時はめちゃくちゃキツかったけど、今聞き返しても良い曲たちだなって思えるから、頑張った俺たち。うん

終わりに

モノを作る時っていうのは必ず「生みの苦しみ」っていうのがあって、お客さんにとってはそれが良いスパイスになるんだけども、「door」はYellow Studsのソレが如実に現れた作品なんじゃないかと思います。

 

本人が「命削れたよね」と振り返ってる通り、特に「汚い虹」の制作については本人しか知りえない苦しみがあって、それがそのまま表現されてるなと。

 

これは完全に良い意味でなんですが「door」は個人的に「何回もリピートして聴けないアルバム」という印象。例えば、「夜空に願いを」なんて5拍子のオシャレな曲なのに腹の底にズッシリくるというか。

 

どの曲をとってもパンチ力があって、耳障りが良すぎて歌詞が入ってこないロックってたくさんあると思うんですけど、それとは対極に位置する作品なんじゃないでしょうか。小説に匹敵するくらい情緒を楽しめるアルバムかと。

 

そんなもんだから「door」はセールスが良かっただけでなく、身内も大絶賛。持ってる人は改めて。持ってないよという人は、お財布の紐が許す範囲で。イエスタ知らないよという人は「汚い虹」のMVから。それぞれ楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

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door-ecobag.png

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ちなみにエコバックは現在取り扱ってる物販の中で最古のアイテム。「door」同様、忘れ去られていたら悲しいのでセットにしてみました。

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